【元就の目覚める恋心(笑)】
以前、日記に書いていた惚れ薬ネタを・・・なんとな・・・く・・・(ガク
雑誌の裏表紙には誰がこんなん買うの?と言った妙な広告が多々ある。
幸せを呼ぶペンダントやら、金運炸裂幸運財布などその他諸々・・・
しかし、どうせそんなもんは幸せの代わりに金属アレルギーを呼んだり
財布のチャックは買ってから3日で外れる・・・などいんちき全開に違いない。
「どーせ、ダイエットの写真だって、あれ、太る前と太った後の写真載せてるだけだろ」
ケッ、馬鹿じゃねーの?と元親は雑誌をペラペラと捲る。
「購入者から喜びの声が!・・・だぁ?
このペンダントをつけてからモテない僕にも恋人が!
道を歩けば札束につまづき、身長が10cmも伸びました!・・・それ病気じゃねーの?
あー、こんなん言って載ったらいくらくれんだろ?」
くだらないなら見なければいいのに、元親は馬鹿にしながらも律儀に活字に目を通す。
そして
「ん?」
とある一文に目が行った。
意中のあのコもこれでイチコロ★!?
門外不出の惚れ薬、今だけなんとこの価格!!
「はぁ・・・?」
門外不出なら素直に隠しとけよ、とブツブツ言いながらも煽られた文章に目を通す。
意中のあのコにかけるだけ!
一滴でも皮膚に触れれば最初に見た人を全力で愛し続ける脅威の惚れ薬!
今まで振り向いてもくれなかったあのコが急に独占欲のカタマリに!?
門外不出で今まで日の目を見ることが適わなかったのですが今回、特別に800円にてご奉仕!
注意・非常に危険な為、お一人様1品限りになります
「・・・・・・・・嘘くせぇ」
通販マニアの元親でも流石にここまで露骨な広告には眉を顰めるしかなかった。
「こんなんで恋が実るなら俺はもう今頃毎日が薔薇色だっての、アホくせアホくせ。
大体、そんなスゲーもんを800円で売るなって話だよな。嘘大放出?てゆーか誇大広告?
こんなんにかかる馬鹿なんてよっぽど飢えてんだろなー。あー怖い怖い。
俺、モテない人間に生まれなくてよかったー。
えーと・・・電話番号は・・・フリーダイヤル・・・」
それでも僕らの兄貴はたとえ地雷でもお約束はきっちり踏んでくれる。
頭から批判しつつもしっかり申し込んでしまっていた。
つまり 惚れ薬を。
それから数日・・・
「号外!ごうがーーい!
今日からこの国は「四次元」と改名されまーす!
俺たち四次元人!酒は四次元酒、猿は四次元猿、でも天気はいつもどおり日本晴れ!」
「愚か者!そんなくだらない事を大声で叫ぶな!近所にでも聞かれたらどうするのだ!」
元親は薬の事などすっかり忘れ、いつもどおり元就とはしゃいで踏まれて殴られていた。
「ほらほら、元就!そんなに怒るな!飴やるから!
口の中でコロコロナメナメ!甘くて美味しくてちょっとやらしいぞ!
すでに俺の口の中に入ってんだけどな、いる?」
「死ね!!」
相変わらずのヒトリヨガリ劇が繰り広げられているときにそれが届いた。
パシン!と勢いよく襖が開き、政宗が乱入する。
「おい、元親。なんかお前宛にLuggage来てるぞ。なんか「コワレモノ」って書いてるし。
お前、また何買ったんだ?」
適当にそこらか本人の部屋にでも置いておけばいいものを、
何故か律儀にこの独眼竜は本人の元まで届けてくれる。
本日も例に漏れず、普段より幾分小さめの小包を持ってきてくれた。
「は?なんか俺、物買ったっけ・・・あ・・・暗闇の中に・・・裸の元就が10人くらい見える・・・」(ボケー)
「こいつもう別のこと考えてやがる。openしていいのか?」
「変な物とか頼んでないだろうな?」
恐る恐る、政宗が封を破ると、新聞紙に包まれただけの簡素な小瓶が出てきた。
「瓶・・・?」
中には桃色の液体が入っている。
微かに甘い匂いがするそれは、軽く振ると中で小さく波を作って揺れた。
「?」
3人はそろって首をかしげる。
「What
is
this?元親。お前、本当に心当たりねぇのか?」
「全然・・・あ、箱の下に取説が・・・何々・・・?意中のあのコにかけるだ・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・あ゙!!!」
その瞬間、元親は電光石火の勢いでその取説を箱の中に戻した。
「思い出した!それ大事なヤツなんだよ!」
そう言うと、すかさず政宗の手から例の「惚れ薬」を奪い取ると大事そうに箱に入れて
「じゃ、俺用事あるから!」
と足早に走り抜けていってしまった。
その場に取り残されてしまった二人は怪訝そうな顔で
「また何かよくねぇ事企んでるぜ?気をつけたほうがいいぞ?」
「・・・そうだな」
と、仲睦まじくヒソヒソしていたのだが今の元親には関係の無い話。
「まぁ、どーせ効くわけねーけどよ・・・」
元親は自室でそれでも自分に都合の良い結末を想像してにやけている。
「これで元就が急に俺大好きで独占欲の塊になっちまう・・・んだよな?」
『元親・・・あの・・・頼みがあるんだが・・・』
『ん?どうした、急に?』
『実は昔からお前の事が・・・あー!もう抱いてくれ!無茶苦茶にしてくれ!!』
『はっはー!急にどうした、このスケベ!よっしゃ、お望みどおりすげぇ事してやるぞ!』
『元親!愛してる!!今日から・・・いや以前から我はそなたのモノだ!』
『元就ーーーー!!!!!』
にへ。
あまりにも都合が良すぎる話に、思わず頬が緩む。
「あー、でも世の中そんなに上手くいくわけねーもんな・・・
まぁ、この話のオチとしては・・・」
『貴様!なんだこの液体は!べトベトするし・・・こんなものをかける奴がいるか!』
『あー、わりぃわりぃ。手が滑っちまって』
『く・・・ネトネトして気持ち悪い・・・』
『悪かったって。じゃ、俺が舐めて綺麗にしてやっから、じっとしてな?』
『え・・・?な、何を・・・?あ・・・こら、待・・・っ』
『待ちませーん、いただきまーす』
おお!これは!!
なんかとても美味しいんじゃないかい!?
「薬が効いても効かなくても完璧じゃねーか・・・」
真にできる奴は不可能すら覆すと言う。
今の俺はまさしくそれだ!
元親は何故か根拠のない自信に満ちた顔で叫んだ。
「おーーーーい、元就ー!ちょっと来てくれよー!
なんか急に兎飼いたくなったからお前も選ぶの手伝ってくれ!」
勿論、彼が必ず来るための餌を撒くのも忘れない。
数秒後、「兎」の単語に魅入られた元就の普段よりも軽やかな足音を確認し、
「兎を飼うとは本当か!?」
「わりぃ、嘘★」
勢いよく襖を開けた元就の顔めがけて桃色の液体をかける。
「!?」
反射で目を閉じる元就。
普通に考えれば次に元就の目に入るのは不埒な液体をぶっかけた張本人。
さあ、目を開けろ元就!
効くか効かないかわかんねーけど!
つか十中八九怒られるけど!!
ちょうどその時、普段は何故か住人の公認で忍んでいる武田の忍が廊下に降りたった。
「ねぇ、毛利の旦那ー?ちょっとトイレ貸してくれない?」
・・・と元就に話しかけ・・・
「む・・・?」
元就が最初に見た人物が、
「え?どしたの?毛利の旦那?」
武田の苦労人、猿飛佐助だった・・・・・・
まだ目覚めてなかった!!(笑)
以前日記でぼやいていたのをやっちまいました。orz
なんかくだらないくせに長くなってしまったので続きます・・・(´・ω・`)
