それは蒸し暑い夜のことだった・・・



元親:「うぅ・・・」



    重い・・・




    なんだ・・・?この寝苦しさは?





元親:「・・・・・・」




    寝返りがうてねぇ・・・





    まるで・・・何かが身体の上に乗っかってるような・・・









上を見上げると・・・誰か・・・何かの人影が元親の上に立っていた・・・・・

元親:「・・・・・・・・・・!!!!!!!!」






【兄貴とおばけ】


その日、起きたのは昼過ぎだった




元親:「夢じゃねぇ・・・
    昨夜しめたドアも開いてやがる・・・誰か・・・なんかが昨夜、俺の部屋に・・・!?」













元就:「何だと?
    誰かが貴様の上に乗った?」


元親:「そ、そうなんだよ!寝てた俺の上にずっと立って!
    お前、昨日何もなかったか!?」

元就:「さあ、私は寝ると滅多なことでは起きぬからな・・・
    だがひとつだけ・・・気になる事がある」

元親:「気になる事・・・?」

元就:「貴様の上に乗って、何が楽しかったのだろうか?」

元親:「・・・・・・・・」

元就:「少しでも達成感はあったのだろうか?」

元親:「いや・・・バランスとるの難しかったと思うぞ?」

元就:「しかし、何のためにそんな事をしたのだろうか」

元親:「まぁ、政宗あたりが悪戯でもしてきたって感じかもな」

政宗:「ぬるい」

元親:「・・・・・・・!?」

政宗:「俺だったら・・・そこで髪の毛を3分の1くらいcut しておくぜ?」

元親:「いつから居た、お前・・・」

政宗:「さっき通りかかっただけだ。面白そうだから聞かせてもらったぜ?
    ていうかよ?それ、普通にオバケなんじゃねーの?」

元親:「お、馬恵・・・?三国の新キャラか?」

政宗:「誰だよ、それ・・・Ghost、幽霊だよ」

元就:「もしや昨夜のは金縛りってやつかもしれぬな」

政宗:「なんか、呪われるようなこと、したんじゃねぇの?」

元親:「何言ってんだ?俺は自分の目で見たものしか信じてないんでね」

政宗:「は?だからソレを見ちまったんじゃねーか?
    あの世関係なら光秀かザビーのおっさんあたりに相談した方がよくねぇか?」

元親:「幽霊なんか、いるわけねーだろ。
    なーんか、しらけちまった。じゃ、俺、出かけてくるわ」




政宗:「・・・つまんねーの。
    案外、ビビんねぇんだな」

元就:「おそらく現実主義なんだろう」




元親:「おーーーい!光秀ぇぇ!!」

光秀:「おや、こんなことろにご馳走が・・・」

元親:「ぎゃあ!違う違う!ちょっと相談が!!」




政宗:「丸聞こえだな」

元就:「直行したな」










光秀:「金縛りですか?」

元親:「やっぱ・・・幽霊か?」

光秀:「まあ、貴方は脅かしたら楽しそうですからねぇ。
    私も枕元に骸骨とか置きたくなりますし」

元親:「うおおおお!?やめろよ、そんなこと!!」

光秀:「まぁ、面白そうですし・・・一晩、私が見張りをしてあげましょう」

元親:「お前・・・いいやつだったんだな・・・」














深夜

元親:「じゃ、俺は寝るからよ・・・」

光秀:「ええ。おやすみなさい」(のんびり)

元親:「緊張感ねぇな・・・幽霊、来るんだぞ」

光秀:「正直なことろ・・・幽霊の正体の見当はついているのですよ」

元親:「は!?何だよソレ!?」

光秀:「ああ、今夜も蒸し暑い。
    きっと、これなら今夜も来ますよ」

元親:「え!?」


ガチャ


元就:「ぐぅ・・・・・・」(寝)

元親:「も、元就!?」

光秀:「やはり来ましたか・・・」

元親:「寝てないか・・・アレ?」

光秀:「元就殿は夢遊病の気があるんですよ」

元親:「夢遊病!?」

光秀:「というか寝相の悪さでしょうか・・・
    主に夏場になるのですけどね」


1・まずは暑くて冷たい部分を探して寝返りをうつ。
2・その部分が暖かくなったら、また冷たい場所をさがし、寝返りをうつ
3・また、うつ
4・さらに、うつ
5・まだ、うつ
(略)
6・そしてコロコロ転がって所定の場所へ

光秀:「主に川原なのですが・・・
    何故か起きる頃にはちゃんと元の部屋に戻っているのですよ」

元親:「あっぶねぇーーーーー!!!!」

光秀:「だから夏は私が密かに元就殿の部屋に鍵をかけています」

元親:「お前、本当にいい奴なのかもな・・・
    じゃあ、なんで昨日は俺の部屋に?」

光秀:「昨日は熱帯夜だったからでしょう。
    無意識に貴方の近くが心地よいと体が覚えていたのでしょうね」

元親:「え・・・
    そっか・・・俺のトコに避難しにきてくれてたのか・・・
    なんか、ちょっと嬉しいな・・・って、アレ?」

光秀:「?」

元親:「じゃあ、本来なら昨夜のような恐怖の一夜じゃなくてよぉ・・・
    目が覚めたら横で元就が寝てる・・・みたいなトキ★メキ★ラブスィートナイトになるはずじゃねぇ?」

光秀:「・・・・・・・・」

元親:「今夜からでも遅くねぇな!よっしゃ、添い寝してやろ!
    光秀、お前、もう帰っていいぞ!」

光秀:「・・・・・・思い出してくださいよ・・・
    元就殿は暑くて避難してきていることに・・・」





元親:「いてっ!いててっ!蹴るっ・・・蹴るなっ!
    ぅわ!あーあー、布団から落ちるって・・・おいっ!!」

元就:「・・・・・・・Zzz・・・・・・Zzz・・・・・・・」




光秀:「真横に貴方がいたら暑苦しいだけでしょうに・・・
    元就殿もなんだかんだ言って、お好きなんですねぇ・・・」



元ネタ、荒川アンダー ザ ブリッジより。
デレの部分・・・(違う)